プロフィール

■ごあいさつ

治らない慢性痛で苦しんでいるあなたへ

「どうしてこんなことになってしまったんだろう」――1998年の秋から長いこと、私は全身の痛みに耐えながら、自問自答とドクターショッピングを繰り返していました。

きっかけは小さな事故でした。「首を痛めてしまったけれど、きっとすぐに治る」と思っていたのに、頸椎椎間板ヘルニアから顎関節症を併発し、さらに痛みが全身に広がってしまったのです。痛みは4年間続きました。どこの整形外科に行っても、検査の結果は「異状なし」。痛みがあること自体信じてもらえず、治療もしてもらえませんでした。精神科から民間療法まで転々としましたが、当時の日本には慢性痛についての情報がほとんどなかったため、症状が改善することはなく、精神的にも次第に追い詰められていきました。

転機は、夫の仕事についてオーストラリアに行ったことによって訪れました。

日本よりも格段に進んだ慢性痛の治療(集学的チーム治療)に出会い、寛解することができたのです。喜びと同時に、いたたまれない気持ちになりました。日本では大勢の人が依然として、痛みを抱えたまま苦しんでいることを知っていたからです。

症状が寛解へと向かう中で行動する意欲を取り戻した私は、患者としてcognitive behavior therapy(認知行動療法)を学び、さらに帰国後は加茂整形外科医院など、慢性の痛みに心理的介入が必要と考えていた開業医のもとで、かつての私と同じ苦しみを抱えている皆さんのカウンセリングを行うようになりました。同時に、日本の疼痛治療現場を改善するための、さまざまな活動にも参加するようになりました。「公認心理師」の資格を取得したのも、そうした活動の一環です。

私が行く先を照らします。一緒に出口を探しましょう

これまでの20数年の経験と、そのなかで培った知見や人脈を、慢性痛で苦しんでいる皆さんのために役立てたいと思い、この度「こころとからだの痛み相談室」を開室致しました。

私は医師ではないので、治療はできません。でも、自身の経験に基づいたカウンセリングと、正しい医療につなげるサポートならできます。

今、この文章を読んでくださっているあなたは、たった一人で暗闇の中をさ迷っているのではないでしょうか。昔の私がそうでした。私にできるのは、そんなあなたの傍らに寄り添い、懐中電灯で行く先を照らしながら一緒に出口を探すこと、ただそれだけかもしれませんが、よかったらご連絡ください。ご相談に乗ります。

2020年11月
横浜市立大学市民総合医療センター
 ペインクリニック内科/府中心理相談室
公認心理師 浅枝まり子

■自己紹介

経歴:中央大学文学部 社会学科卒

新卒で、SBS静岡放送 静岡新聞社 報道制作局アナウンス課入社。

以後、局アナ出身のフリーアナウンサーとして民放の番組に多数出演。

企業の話し方教室、コミュニケーション教室の講師なども歴任。

慢性痛を発症してからは、患者会運営とピアサポートのカウンセリング、行政への働き、慢性の痛みの厚労省事業コーディネーターを務める。

日本の慢性痛医療の第一人者・北原雅樹医師に従い、東京慈恵会医科大学ペインクリニック、横浜市立大学附属市民総合医療センター ペインクリニック内科に勤務。

北原医師が牽引する日本における慢性痛医療改革を推し進めるべく、『神奈川県助成金事業・慢性痛啓発セミナー(年12回)』や『横浜市民のための慢性痛公開講座』等イベントの事務局長として企画・運営・講師を務める。

2019年 公認心理師の資格を取得。

2020年11月 慢性痛相談に特化した相談受付サイト『こころとからだの痛み相談室』開設

※公認心理師とは?

心理業務、カウンセリング業務の国家資格です。今まで民間資格しかなかったカウンセリング資格を、2017年に厚労省が国家資格に昇格させました。

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■日本の慢性痛医療

◎慢性痛で悩んでいる人は全国で約2,315万人

腰痛、肩こり、ひざ痛、全身痛など、なんらかの慢性痛で悩んでいる人は全国で約2,315万人*1、日本人のおよそ5人に1人と推定されています。しかも、そのうちの66.6%は「痛みがあっても我慢するべき」と考えており、長く続く痛みに対して「痛みが治ることを諦めている」と回答した人は69.1%にものぼっています。*2

 今、このサイトをご覧になっているあなたはどうですか?私の場合は諦めるというより、つらすぎて、パニック障害等のメンタルの問題を抱えるようになりました。

 どうしてこんなことになるのだと思いますか?

 一番の理由は、日本ではまだ慢性痛に対する正しい知識が、一般人はおろか整形外科等の医師にさえ広まっていないことにあります。たとえば「急性痛」と「慢性痛」は成り立ちも治療法もぜんぜん違うのに、その区別すらついていないのです。

*1:「痛みに関する大規模調査」(2010)ムンディファーマ

*2:「47都道府県比較 長く続く痛みに対する意識・実態調査」(2017)ファイザー

急性痛とは?

指を切ったり転んで足をくじいたり、あるいは虫垂炎や胃潰瘍を起こしたりというように、はっきりした原因があって生じるのが急性痛です。レントゲンやCTなど画像検査をしたりすれば痛みの原因となる障害がみつかります。治療も痛みそのものではなく、痛みを起こしている原因つまりケガや病気を見つけて、それを治療することが、結果的に急性痛を治すことになります。

慢性痛とは?

原因が分かりにくい痛みです。
国際疼痛学会では「急性疾患の通常の経過、あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて、長期(3か月または6か月)にわたって持続する痛み」としています。「3か月または6か月」と期間に幅があるのは、ケガや病気の程度、損傷したのがどの組織か、あるいは個々人の栄養状態などによって、治癒にかかる時間に差があるからです。
つまり慢性痛とは、その組織の通常の治癒期間を超えて続く痛み。簡単に言うと「痛みの原因となるようなケガや病気はとっくに治っているのに、痛みだけが消えずに続いている」状態を指します。

◎慢性痛なのに、急性痛の治し方をしたら?

慢性痛に急性痛の治し方をしても治りません。そればかりか悪化させて、痛みを「一生もの化」させてしまう可能性さえあります。
たとえばギックリ腰は発作を起こしてから24~48時間は安静にしますが、その後はゆっくりと身体を動かしたほうが早く回復するというのが、今の世界の共通認識です。しかし日本では、いまだに、ギックリ腰を突き指や骨折と同じようにとらえ「痛みがなくなるまでは動かさないほうがいい。安静にしていよう」という間違った認識を持っている人が少なくありません。そのため、過度の安静を続けたことで身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響を及ぼす「廃用症候群」(「生活不活発病」ともいわれます)を発症し、認知症の悪化や寝たきりになってしまうことが特に高齢者ではよくあります。また、痛みの軽減を目的に処方された薬のせいで、逆に痛みが増してしまうケースもめずらしくありません。

◎正しい治療=集学的治療を知っていますか?

オーストラリアに行き、正しい治療法に出会えたお陰で私は救われました。
私を救ってくれたのは「集学的治療」というチーム医療です。
日本の場合は、整形外科なら整形外科医、精神科なら精神科医だけが診断・治療にあたる場合が多いですよね。でもオーストラリアでは、主治医だけでなく理学療法士や心理療法士、作業療法士に栄養士、マッサージ師や歯科医師等、症状に応じて本当にいろいろな専門職が連携し、治療にあたってくれました。
日本でもこのような集学的な痛み治療が徐々にではありますが広まりつつあります。
あなたも、集学的治療を受けてみたいと思いませんか?